吃音者の仕事術

吃音が辛くて仕事を辞めたい人に送る元吃音者からのアドバイス

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このサイトは元吃音きつおん者である吃音きつおんモンキーが運営しているサイトです。

吃音を本気で治そうとされている方はこちらの3記事にすべてをまとめてあります

「吃音が辛くて仕事を辞めたい」
「鬱になる前に仕事を辞めたい」

吃音の人からはこんな声がよく聞かれます。私も吃音者です。その気持ちは痛いほどによくわかります。吃音ではない健常者に相談すると、

「辞めるのはよくないよ。もう少しがんばってみたら?」

確かにあなたのことを思ってそう言っているのだと思います。しかし、無責任な発言とまでは言いませんが、吃音者のあなたのことを理解していない言葉かと思います。

あなたも心のどこかで「吃音の辛さなんてわかるものか!」と思っている部分もあるかもしれませんね。

そこで元吃音者である私が、「仕事が辛くて辞めたい」と思った時どうするべきかアドバイスをさせてもらおうと思います。参考になれば幸いです。

吃音の辛いところ

仕事の辛いところを話す前に吃音の辛さを整理しておきます。私も吃音だった時はとにかく不安に押しつぶされそうであまり考えたことはなかったのですが、吃音者が吃音を辛いと思うには4つあります。

どもるかも・・・と不安になる(予期不安)

言葉が出ない、出にくいタイプの吃音者は、一度どもると次もどもるかも・・・と恐怖にも似た感情を抱きますよね。

そのどもる機会が回避できたときはほっとしますし、実際にどもる機会を避けることができないとなった時は言葉を出すその瞬間まで恐怖がどんどん大きくなります。

どもった後の自己嫌悪

どもるかも・・・と思いながら言葉を発しようとすると案の定どもります。たまたまうまく行くはずもありません。予感は的中します。

そうなると「やっぱりどもった・・・」と自己嫌悪に陥ります。「なんでこんな簡単なことができないんだ」という自己嫌悪です。

自己嫌悪すればするほど、次に話すことが恐怖に思えます。先ほどの予期不安です。そして予期不安で緊張することによってやっぱりどもります。悪循環の始まりです。

どもって自己嫌悪に陥れば陥るほど、話すことを不安に思えば思うほど吃音が強化されます。

話す機会なんて生きていれば嫌というほど機会がありますから、どんどん吃音は強化されます。

周りの評価

そしてどもった時、周りから笑われたり、バカにされたり、情けないやつだと思われるかもしれないという恐怖も入り混じります。

恐怖だけじゃなくて実際にそのように扱われます。吃音になる方は大抵真面目で誠実な方です。さらに感受性が人一倍強いと言われていますから、この周りの評価が正直気になってたまりません。

ちゃらんぽらんな性格なら「どもったことなんか」で周りは気にしないでしょと思って終わりです(吃音者が思うほど、どもったことは気にしないとは言われています)。

しかし、自分に厳しく、プライドが高く、失敗が許せない性格のあなたはそれでも周りの評価が気になるはずです。

将来への漠然とした不安

「将来、自分はどうなってしまうんだろう」
「一生どもりっぱなしなのか」
「もっと仕事をがんばりたいのにこれじゃ活躍できない」
「出世は?年収は?そもそも責任ある仕事を続けることができるのか?」
「結婚はできるのか?」

このような不安を漠然と抱くなるようになります。

これらが吃音が辛くなる4つの理由です。

吃音者が仕事をしていて何が辛くて衝動的に辞めたくなるか

これらを踏まえて辞めたくなるケースを見ていきましょう。

ここは完全に私の経験談です。私も仕事を何度やめたいと思ったことかわかりません。そればかりか死にたいとまで思っていました。気づくと「死にたい」なんて言葉が出てしまっているのですよね。

それでは吃音者が辞めたいと思うケースを主観で紹介します。

詳しくはこちらでも紹介しています。
吃音ブロガーのプロフィール

電話

やはり電話は辛かったです。定型文で「お疲れ様です(お世話になっております)。ドリモ株式会社の小沢です」というのですが、吃音者が言えない言葉ランキングTOP3の「『お』始まりの挨拶」と会社名、自分の名前を言わなければなりません。

ちなみに小沢というのは仮名ですが、実名も『お』始まりでした。吃音者にとって母音が連続するなんて地獄でしかありません。

職位が上がってからは電話を意図的にとらないようにしましたが、電話をとらないといけない新卒3年めまでは電話取りでどもりまくっていました。

何回聞き返されたかわかりませんし、電話の度に辞めたいとさえ思っていました。

朝礼

朝礼もきつかったです。飲食業や接客業にありがちな挨拶トレーニングをみんなの前でやらないといけません。

「お疲れ様です!ドリモ株式会社でございます!」
「おはようございます!ドリモ株式会社でございます!」
「お世話になっております!ドリモ株式会社でございます!」
「ありがとうございます!ドリモ株式会社でございます!」

と大声で発声しなければなりません。大声なので誤魔化しはききません。しかも噛むとやり直しの文化があったので、吃音の私はエンドレスです。

「ちゃんとやれ!(笑)」とヤジも飛びます。後輩や年下女性社員に笑われもします。屈辱、屈辱、屈辱。本当に嫌でした。朝礼当番の前日はこのまま消え去りたいと思っていました。

出退勤時の挨拶

出勤時は「おはようございます!」、退勤時は「お疲れ様です!お先に失礼します!」と職場全体に大声で聞こえるように言わねばなりません。

「ぉふょうござます!」「ぉっちかれしゃまでしゅ!」

朝礼と同じです。大声でどもるのでもう顔から火を吹くとはこのことです。しかも出退勤なんて毎日のことです。毎日毎日、朝一の自己嫌悪と一日の終りに自己嫌悪。やってられません。

出勤と同時に退職届を出そうかとも思いました。

女性社員

男って女性社員にいいところ見せたいと思いますよね。プレゼンとかビシっと決めて仕事ができるところを見せたいと思います。男とはそんな生き物です。

でも実際、女性社員がいる職場の男性のパフォーマンスは高いともされています。しかし、私の場合は決めようにもどうしても決まりません。

どれほどロジカルにプレゼン資料をまとめても、部下からの相談に的を得た回答をしても、突発的なことに臨機応変な対応をしても、みんなの前で一度どもるだけで「本番に弱いやつ」「情けないやつ」「えらそうなことを言って口だけ」というように思われます(そう思われていると思っている)。

これが辛い。「情けないやつ」というレッテルをリセットする意味でも辞めたいと何度も思ったことがあります。

人事評価

女性社員の上司版です。女性社員が「情けないやつ」というレッテルを貼るのであれば、上司も同じ評価を下すでしょう。

「本番に弱いやつ」「人前で緊張するやつ」「リーダータイプじゃ使えないな」「なんか頼りなくて責任感のあるような仕事は任せられない」

このように思うでしょう。別に緊張しているわけでもないんです。言葉出ないだけなんです。心の叫びは届きません。

実力と違う所で、「こんな簡単なことができない」がために、不当な人事評価を受けることとなります。一方、手を抜いても口が達者な同僚は出世していくことになります。

※一応、私の場合は吃音を騙し騙しで最終的には課長職にはなれました。

その上でのアドバイス

ここまでもったいぶって申し訳ないんですが、やはり私も辞めてはいけないと思います。

ただ健常者が言うアドバイスとは違う視点で辞めてはいけないと思っています。2つあります。

話す機会を避けるべきではない

まず1つめにどんなに苦しくても人と話す機会は避けるべきではないと思います。なぜなら吃音者にとって最も避けるべきは「回避」と言われいますし、実際にそうだと思います。

回避とは混同しやすいですが、どもる言葉を回避することではなくて、どもるのが怖いから人と話す機会やコミュニケーションを回避する、避ける行為のことです。

これが癖になってしまいますとどんどん自分の殻に閉じこもって、社会復帰できないレベルまでになってしまいます。あまり知られていないですが、吃音は社交不安障害(SAD)を併発しやすいとされているのもこういう理由でしょう。

「人を避けたい」という理由で辞めてしまうと再就職の意欲がわきません。今、目の前の職を辞めたいが一心で冷静な判断ができないかもしれませんが、辞めたら恐らく今よりも辛い現実が待っていると思います。

例えば、面接はどうしますか?乗り切れますか?面接は吃音者にとって最大の難関と言われています。転職先は人前で話さない職種だし・・・と思っているかもしれませんが、意外に吃音者にとって辛い仕事はどの仕事でもあります。

工場勤務なら毎朝ラジオ体操を人前でやるついでに一分間スピーチがあります。接客業や飲食業も開店前に挨拶トレーニングがあります。デザイナーやプログラマーはホワイトボードを使って社内プレゼンするなんてざらですし、顧客に対してプレゼンすることも実は多いです。

そもそもどんな仕事をするか、どんな風土の会社かわからない中ではあまりにも不確定要素が多いです。

また、吃音は親密度が高い人相手ほどどもらないと知っていましたか?逆に言えば、新しい職場は全員が知らない人たちばかりです。つまり、今よりもさらにどもる可能性があるということです。

吃音は早ければ6週間で治る可能性がある

辞めても吃音が改善しません。そればかりか先ほどの通り、新しい職場のほうがどもりがひどくなる可能性さえあります。それであれば、お金に余裕のある今のうちに吃音改善にかけてみてはどうかというのが2つ目の理由です。

吃音は治らないと言われたのは一昔前の話で、アメリカやカナダでは吃音研究が盛んで今や改善もどんどん事例が出てきています。

しかもオンラインで学ぶことができるようにもなっていて、自宅でノートとペン、あとはスマホさえあれば改善できると、どんどん環境が整ってきています。

悲観して、衝動的に辞めたいと思う前にもう一度奮起して吃音改善を考えてみてはいかがでしょうか。

おすすめのオンライン教材は当サイトでも紹介しています。
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このサイトは12年間におよぶ壮絶な吃音経験をした吃音モンキーが運営しているサイトです。

私の吃音治療の体験を元にした濃い情報を発信しています。吃音に悩まれている方のためになればと思います。
あなたは「吃音は治らない」と思っていませんか?しかし、吃音は治ります。

事実、私は12年間悩んだ吃音を克服できています。ポイントは脳科学です。

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