吃音治療で使われる4つの薬と副作用(SSRIやドーパミン阻害薬)

「今飲んでいるSSRIってなんだろう?」
「ドーパミン阻害薬ってなんだか眠たい」

もし吃音きつおん治療でこれらの薬を飲んでいる方は「お医者様の言うとおり、がんばって飲んで吃音きつおんを治そう」と思われるかもしれません。しかし、薬で吃音きつおんは治らないことは以前こちらで書いた通りです。

SSRIなど抗うつ剤では吃音きつおんは治らない理由

そればかりか吃音きつおん治療で使われるような薬は副作用もありますので注意が必要です。

ドーパミン阻害薬

ドーパミン阻害薬はおそらく吃音きつおん治療の現場で最も使われている薬ではないかと思います。これは唯一吃音きつおん改善に効果があったという研究報告があります。

アメリカの研究例となりますが、2004年にドーパミン阻害薬「Olanzapine」を6週間、吃音きつおん者の飲んでもらったところ30%ほどの改善が見られたということです。ただし、その後、ドーパミン阻害薬をもっと詳しく研究されることはありませんでした。

というのもドーパミン阻害薬は副作用として強烈に眠くなったり、身体がだるくなったりしやすく、仮に効果的だったとしても実用的でなかったからだと言われています。

その他、便秘やめまい、吐き気、不眠、性機能障害、体重増加といった副作用が挙げられます。なかには幻覚、意識障害などもあるようですね。

そもそも30%の改善でしたら「治る」というより「一時的な軽減策」ということになるかと思います。

SSRI

抗うつ剤の一種で脳内のセロトニンを増やす効果があるとされています。具体的にはパキシル、ルボックス、デプロメールといった薬がこれにあたります。不安を抑える薬ですね。うつ病によく使われています。

吃音きつおんに直接効果があるというよりは、吃音きつおんと併発しやすい鬱や社交不安障害(SAD)への効果を狙っているようです。こちらも即効性はなく、先ほどのドーパミン阻害薬と同様、強い眠気に襲われるという副作用があります。

仮に吃音きつおんが治ったとしても、日中強い眠気に襲われるとなればやはり実用性に欠けますよね。

βブロッカー

βブロッカーは、簡単に言うと心拍数をコントロールするための薬です。インデラル、テノーミンなどがこれにあたります。

日本ではパニック障害に使われる薬で、動悸がする人に有効と言われています。

副作用は低血圧、末端の冷え性、不眠、だるさ、強い吐き気といったものが挙げられ、これまた日常的に使うことは難しいでしょう。

そもそも治療薬ではなく、症状を緩和するための薬です。

ベンゾジアゼピン

これは抗不安薬です。筋弛緩剤として使われていますので、緊張を解きほぐす、要は精神安定剤ですね。パニック障害、発作、不安、興奮などに効果があります。

しかし、長期的に飲んでしまうと薬物依存症や、身体的、精神的に重大な健康を害するおそれがあるため推奨されていません。もし処方されるとしても面接やスピーチなど一時的な服用のためだと思います。

絶対に医師の処方に従ってください。

オランザピン

こちらは抗精神病薬です。もともとは統合失調症やうつ病などに利用される薬ですが、吃音きつおん症の方にも処方されることあるとのこと。

比較的多い副作用としては体重増加、食欲増進があります。単純に食べすぎてしまうようです。また、眠くなりやすいことからこちらも日常的に飲むことはできないでしょう。

その他、便秘、めまい、ふらつきといった副作用もあります。また、血糖値が急上昇しますので、糖尿病の人には禁忌となっています。子供や高齢者にも注意が必要です。

副作用があるのになぜ薬が使われるの?

ここに吃音きつおん治療における大きな問題があります。というのもこれら副作用の薬でやろうとしていることは「吃音きつおん治療」ではないということです。

治そうとしているのは別の病気です。

吃音きつおんの方は大抵うつや社交不安障害(SAD)も併発しやすいと言われています。

たとえば、吃音きつおんの人は健常者の4倍、社交不安障害(SAD)になりやすいです。また社交不安障害の人のうち20%がうつを発症するということも言われます。

これに加えて吃音きつおん治療を専門とする窓口がありません。病院に行かれた方はわかると思いますが、耳鼻咽喉科か心療内科、精神科で受診されたのではないでしょうか。

考えても見てください。耳鼻咽喉科の専門は発語器官の専門家です。心療内科や精神科は精神の専門家です。いずれも吃音きつおんの専門家ではありません。

吃音きつおんであるあなたが精神科で受診したとしましょう。しかし、お医者様の専門は精神科です。あなたはうつを併発(または吃音きつおんの辛い体験のため、うつっぽい症状があります)。お医者様は「うつ」と診断し、うつに関する治療を始めるでしょう。

吃音きつおんはいまだに原因が解明されていない病気です。専門でもない、原因もわからない吃音きつおんを治療するのではなく、まずうつや社交不安障害(SAD)から治そうとするのはごく自然だと思います。

このように副作用があるにもかかわらず治そうとしているのは吃音きつおん以外の病気ということになります。

最後に

このように吃音きつおん治療に使われる薬の副作用について話してきましたが、吃音きつおん治療で薬が効果的な例があります。それは一時的にでもどもならない成功体験をすることです。

これはオペラント学習といい、吃音きつおん改善にオペラント学習が効果的であるという研究もあります。成功体験を積み重ねることで自信をつけるということですね。

ここらへんは「成功体験を積むために薬を使う」のか、「鬱を治すために薬を使うのか」で大きな違いがあります。いずれにしても薬ですので最終的にはかかりつけのお医者様の意見を聞いてみてください。

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